東武野田線・岩槻駅より徒歩10分。県道2号を南西に進んでいくと「岩槻大師」の案内板が見えてくるので案内に従って進む。住宅街を進んだ突き当りにある山門が岩槻大師こと喜多向厄除不動尊がある彌勒蜜寺である。
山門には岩槻大師の大提灯が吊り下げられている。「人形の東久」奉納というのが人形の町・岩槻らしい。日光御成街道の宿場町であった岩槻は、徳川家光が日光東照宮を造営する際に全国から集った宮大工の一部が定住した。工芸技術を生かして人形作りを行う者もおり、その技術が武士や農民の内職として受け継がれた結果、町の産業として定着したものとされる。
写経剃髪殿。本尊として弥勒菩薩を祀っている。自分の分身として毛髪一本と般若心経を奉納することで、剃髪得度(剃髪して出家する儀式)と同様の功徳を授かることができるという。
写経剃髪殿を囲むように三十六童子像が配置されている。
子育て人形大師像。足元や左手の上に人形があしらわれたデザイン。彌勒蜜寺は宝亀5年(774年)草創。奇しくも弘法大師空海の誕生と同年である。大同2年(807年)の弘法大師関東巡錫の際、本尊の大日大聖不動明王と、東方守護の降三世明王、南方守護の軍荼利明王、西方守護の大威徳明王、北方守護の金剛夜叉明王を彫刻し、これを「五大力尊」として安置している。
本堂は昭和53年(1978年)に建造された鉄筋コンクリート造の建物。地下の仏殿には四国八十八ヶ所の本尊と大師を勧請し、お砂踏みができるようになっている。
山門脇の白壁には十三仏。冥界の審理を行う「裁判官」の役割を持つ十三の仏が並んでおり、真言を3回唱える形で参拝できる。
稲荷堂は稲荷大明神(荼枳尼天)と清瀧権現(水天)が祀られている。
山門の提灯の裏面には「五大力」の文字。三十六不動巡りも三十番を越えて佳境に入っているので、多種多様なパワーを手に入れつつ残りの不動尊を巡っていく。
霊場
光岩山 釈迦院 彌勒密寺 喜多向厄除不動尊
所在地:埼玉県さいたま市岩槻区本町2-7-35
三十六童子:戒光慧童子(かいこうえどうじ)
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