最勝寺は貞観2年(860年)に慈覚大師円仁が現在の墨田区向島にて釈迦如来像と大日如来像を刻み、これを本尊として祀ったお堂を草創したことにはじまる。同年に円仁は牛島神社を創建し、最勝寺は明治末まで牛島神社の別当寺を務めていた。目黒不動尊といい江戸周辺での円仁の活躍ぶりがよくわかる。最勝寺はその後現在の墨田区東駒形へ移転するが、大正2年(1913年)に駒形橋架橋工事に伴い現在地に移転した。
境内には最勝稲荷社があった。由緒等は不明である。
不動堂には江戸川区指定文化財の木造不動明王坐像と大日如来が安置されている。不動明王坐像は、天平年間(729〜766年)に良弁僧都が東国を訪れた際に隅田川のほとりで休んでいると、夢枕に不動明王が現れ、不動像を刻み1体をこの場所に安置するよう告げられ制作されたものと伝わる。しかし実際は享保9年(1724年)作で、製作者まで判明している(もちろん良弁ではない)。付属する光背や二童子は江戸初期の作だという。元々は最勝寺の末寺・東栄寺の本尊だったが、神仏分離令により廃寺となった折に最勝寺に遷座した。
本堂には円仁作と伝わる釈迦如来像が本尊として祀られている。元慶元年(877年)に円仁の弟子・良本阿闍梨が中興・開山し、「牛寶山」の山号を得ている。
霊場
牛宝山 明王院 最勝寺 目黄不動尊
所在地:東京都江戸川区平井1-25-32
三十六童子:法挾護童子(ほうきょうごどうじ)
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