神奈川県にある丹沢山系の最南端に位置する霊山・大山。
その端正な容姿から古くより信仰が篤く、いつしか大山阿夫利神社が創建された。
天平年間には大山寺が開かれ、山岳信仰の中心地として栄える。中世には、源氏の庇護を受けることとなりさらなる発展を見せるが、江戸期の徳川家康の大山寺改革により天台宗から古儀真言宗へと改宗する。
江戸中期に商人・町人文化が発展し始めると、日本各地の寺社仏閣や霊山への参拝が流行しはじめる。江戸から近いこともあり、大山詣は江戸町民にとって格好のレジャースポットとなった。また、大山阿夫利神社の祭神である大山祇大神(オオヤマツミノオオカミ)は、富士山に祀られている富士浅間神社の祭神・木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)の父にあたることから、富士山と大山両方を参拝する「両詣り」も行われていた。
大山詣は同じ集落や同業者の集団で行われることが多く、これは「講」と呼ばれる。大山に限らず、各地を登山すると講が登拝記念に奉納した石碑や玉垣などを見ることがあるだろう。
大山詣では太刀を奉納するのが一種の決まりであった。これは源頼朝が平氏討伐の際に、太刀を阿夫利神社に奉納したという言い伝えに由来する。
大山街道という通称を持つ街道はいくつもあり、その中でも今回は「青山通り大山道」と呼ばれるルートを辿ることにした。赤坂見附を起点にする本ルートは、江戸からの参拝者が主に利用したルートであり、静岡県沼津に至る「矢倉沢往還」の一部を大山詣に利用したものである。
人馬継立場は下記の通り。
(赤坂御門)→三軒茶屋→二子・溝口→荏田→長津田→下鶴間→国分→厚木→(矢倉沢往還から分岐)→(大山)
今回はかなりスローペースで刻みながらの完歩となった。残念ながら太刀は持参しなかったが、最後は山登りということもあり友人に同行してもらっての登山となった。都会の風景あり、旧道消失区間あり、登山ありのバラエティーに富んだ街道歩きとなった。
1日目 | 2015/08/09 | 赤坂見附〜池尻 | その① |
2日目 | 2015/08/10 | 池尻〜用賀 | その① |
3日目 | 2015/11/01 | 用賀〜高津 | その① |
4日目 | 2015/11/03 | 高津~青葉台 | その① その② その③ |
5日目 | 2015/11/07 | 青葉台~鶴間 | その① その② その③ |
6日目 | 2015/11/28 | 鶴間~愛甲 | その① その② その③ その④ |
7日目 | 2016/03/12 | 愛甲~大山 | その① その② その③ その④ |
8日目 | 2016/05/08 | 大山~大山山頂 | その① その② その③ |
参考文献
大山、ふたたび。|小田急電鉄
川崎国道事務所 大山街道見どころマップ
宮前区歴史ガイド
神奈川県 伊勢原市 祭囃子
丹沢・大山 歴史街道ものがたり デジタルアーカイブ
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