巡礼と言えば四国八十八ヶ所巡礼が有名であるが、不動尊霊場の歴史は意外にも新しく、昭和54年(1979年)に開創された近畿三十六不動尊霊場が最初だという。36という数字は不動明王の眷属「三十六童子」にちなんだものとされ、後に開創される不動尊霊場も倣って札所を三十六箇所に設定している事が多い。
関東三十六不動尊の霊場は昭和62年(1987年)に南関東で不動明王を祀る寺院が集まって設置された霊場。巡礼は神奈川県→東京都→埼玉県→千葉県の順で巡る形となっており、神奈川県は「発心の道場」、東京都は「修業の道場」、埼玉県は「菩提の道場」、千葉県は「涅槃の道場」の四門にカテゴライズされており、これは四国八十八ヶ所巡礼と同様である。これは悟りを得ようと「発心」し、心身浄化を習い修める「修行」をし、煩悩をたちきって悟りの境地の「菩提」に達し、円満・円楽の境地である「涅槃」に達するという仏道になぞらえたものである。
今回の巡礼のきっかけは以前投稿している「大山街道歩き旅」で訪問した大山寺。このときに大山寺が関東三十六不動尊霊場第一番札所であることを知り、折角なので御朱印と納経帳を授与いただいた。実はその後巡礼のことはすっかり忘れていたのだが、翌年になって何かの折に総開帳のポスターを町中で見かけた。なんでも平成29年(2017年)は12年に一度の「丁酉年総開帳」で、普段直接拝むことができないご本尊なども(全てではないが)拝観できたり、散華シールが授与されたりするようだ。
総開帳に気づいたのは平成29年(2017年)5月。実はこのとき既に「成田街道」を歩き始めており、ゴールの成田山新勝寺が36番札所であることを思い出した。これは、成田街道歩きを年末に完遂するように調整すれば、うまいこと総開帳期間中に順打ちですべての札所を巡り、さらにお礼参りで再び大山寺に訪問することができるのではないか。そこから、この年の都合のつく休日は不動巡りに充てることとなった。
今回は、期間的にも距離的にも秩父三十四箇所巡礼のようにすべて歩きで繋ぐことは難しいので、公共交通機関などを駆使しての実施とした。本来は笠や笈摺などの衣装を整え、写経した経典を奉納することで「納経」が完了するが、今回は衣装は用意せず、般若心経・御詠歌の詠唱と納経帳への御朱印のみ実施する簡易的な形での納経とさせていただいた。
※記事の公開は2022年だが、巡礼は2017年に行っているため、記事の内容と現況が異なっている箇所がある可能性が大いにあるため、参考にされる方はご注意いただきたい。
札所一覧
1日目 | 2016/05/08 | 第一番 | 大山不動尊 |
2日目 | 2017/05/28 | 第二番 | 清瀧不動尊 |
3日目 | 2017/06/17 | 第三番 | 野毛山不動尊 |
第四番 | 和田不動尊 | ||
4日目 | 2017/07/05 | 第五番 | 日吉不動尊 |
第六番 | 神木不動尊 | ||
5日目 | 2017/07/29 | 第七番 | 川崎大師不動尊 |
6日目 | 2017/08/12 | 第八番 | 飯綱大権現 |
第九番 | 高幡不動尊 | ||
第十番 | 田無不動尊 | ||
7日目 | 2017/08/26 | 第十一番 | 石神井不動尊 |
第十二番 | 志村不動尊 | ||
第十三番 | 目赤不動尊 | ||
8日目 | 2017/09/03 | 第十四番 | 目白不動尊 |
第十五番 | 中野不動尊 | ||
第十六番 | 目青不動尊 | ||
9日目 | 2017/09/30 | 第十七番 | 等々力不動尊 |
第十八番 | 目黒不動尊 | ||
第十九番 | 目黄不動尊 | ||
第廿番 | 深川不動尊 | ||
第廿一番 | 薬研堀不動尊 | ||
10日目 | 2017/10/01 | 第廿二番 | 浅草寿不動尊 |
第廿三番 | 橋場不動尊 | ||
第廿四番 | 飛不動尊 | ||
11日目 | 2017/10/09 | 第廿五番 | 皿沼不動尊 |
第廿六番 | 西新井大師不動尊 | ||
12日目 | 2017/11/04 | 第廿七番 | 川越不動尊 |
第廿八番 | 川越大師不動尊 | ||
第廿九番 | 苔不動尊 | ||
第丗番 | 不動ケ岡不動尊 | ||
13日目 | 2017/11/11 | 第丗一番 | 喜多向厄除不動尊 |
14日目 | 2017/11/12 | 第丗二番 | 厄除岩瀬不動尊 |
第丗三番 | 高塚不動尊 | ||
15日目 | 2017/11/25 | 第丗四番 | 夷隅不動尊 |
第丗五番 | 波切不動尊 | ||
16日目 | 2017/12/10 | 第丗六番 | 成田不動尊 |
17日目 | 2017/12/17 | 第一番 | 大山不動尊 |
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