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2022/02/15

【巡礼記】関東三十六不動尊 第十四番 目白不動尊



都電荒川線・面影橋駅から神田川を渡り北へ向かう。宿坂通りという通称がついているこの道は、中世に「宿坂の関」と呼ばれる関所があったことにちなむ。道が上り坂に差し掛かるところに金乗院の山門がある。


山門の右手には享保6年(1721年)銘の不動明王像がある。


山門を潜って右手の階段を上がった先に目白不動尊は鎮座している。自ら断ち切った御臂(おんて)を衆生のために与える姿から「断臂不動明王」とも呼ばれる秘仏であるが、元は少し離れた場所にあった東豊山新長谷寺にあったもの。

新長谷寺は元和4年(1618年)に奈良長谷寺4世・秀算によって中興された寺院で、寛永年間には徳川家光によって本尊の不動明王に「目白不動」の名が贈られ、五色不動の一つに数えられた。寺院の周辺は「目白台」と呼ばれるようになり、これが山手線の駅名にも残る地名の「目白」の発祥となった。しかし、第二次世界大戦の戦火の被害により昭和20年(1945年)に廃寺となり、その際に現在の金乗院境内に移設された。


不動堂の前には地蔵が並ぶ。元禄17年(1704年)建立のものなどもある。


境内にはいくつもの庚申塔が置かれている。左は元禄5年(1692年)建立、右は延宝5年(1677年)のもの。


こちらは左に寛文8年(1668年)建立の庚申塔。右は寛文10年(1670年)建立の地蔵菩薩。


こちらは左に万治2年(1659年)建立の庚申塔。中央に南無阿弥陀佛と刻まれた供養塔、右に延宝4年(1676年)建立の庚申塔が並ぶ。一番右の擬宝珠付き庚申塔は、正面と左右の三面にそれぞれ1匹ずつ猿が彫られたタイプ。


金乗院は天正年間(1573年〜1592年)の創建と推定されている。本尊は聖観音菩薩で、現在の本堂は昭和46年(1971年)に再建されたもの。


本堂前には寛文6年(1666年)建立の倶利伽羅不動庚申がある。倶利伽羅不動と三猿が合わさった意匠で、倶利伽羅明王を主尊とする庚申塔は貴重だという。


鍔塚は寛政12年(1800年)に造られたもの。あまり見かけない刀剣の供養塚となっている。

霊場

神霊山 慈眼寺 金乗院 目白不動尊
所在地:東京都豊島区高田2-12-39
三十六童子:師子光童子(ししこうどうじ)

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