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2022/02/17

【巡礼記】関東三十六不動尊 第十六番 目青不動尊



三軒茶屋駅は東急東横線と東急世田谷線の2路線が接続している。世田谷線出口から線路の北側に沿って50mほど西に進むと「目青不動尊」の標柱が目に飛び込んでくる。江戸五色不動の「ブルー」担当だ。


門前には五輪塔や石仏、馬頭観音が並んでいる。馬頭観音は大正期のもので、軍馬を供養するために造立されたようだ。


参道正面にある青がかった屋根が不動堂。本尊の不動明王像は慈覚大師円仁作と伝わる秘仏である。元は麻布にあった「正善寺」から名称変更された「観行寺」にあったものだが、明治15年(1882年)に廃寺となった際に最勝寺に持ち込まれた。


教学院会館という催事場が併設されており、葬儀などで使われているという。


不動堂前の石畳に沿って進むと、鬱蒼とした木々の合間に本堂がある。
教学院は慶長9年(1604年)に江戸城内紅葉山(江戸城西の丸に隣接した小山)で創建されたと伝わる。その後、赤坂三分坂への移転を経て、寛永8年(1631年)に青山南町4丁目に移転した。明治15年(1882年)に不動明王が教学院に移されてからは、「青山のお閻魔さま」とも称された。現在地には明治41年(1908年)に移転してきた。
本堂の本尊は阿弥陀如来で、恵心僧都の作と伝わる。


境内の隅に寛延2年(1749年)造立の「夜叉塚」と刻まれた碑が置かれていた。仏教における「夜叉」は天龍八部衆(天・龍・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽)の一つで、釈迦如来の眷属として北方を守護するとされる。近世では女性の鬼を指すことが多く、この夜叉塚は死後に凶暴化してしまった鬼を供養する目的で作られたものと推測される。


境内から望む三軒茶屋の代名詞・キャロットタワー。三軒茶屋を色で表すとすれば、「青」よりも「オレンジ」と答える人がきっと多いことだろう。

霊場

竹園山 最勝寺 教学院 目青不動尊
所在地:東京都世田谷区太子堂4-15-1
三十六童子:阿婆羅底童子(あばらちどうじ)

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