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2022/03/07

【巡礼記】関東三十六不動尊 第三十四番 夷隅苅谷不動尊



JR内房線の五井駅より、房総半島を横断するように「小湊鐵道」に揺られる。景勝地としても知られる養老渓谷を過ぎ、上総中野駅にて「いすみ鉄道」に乗り換え、国吉駅で下車する。

平成21年(2009年)に駅舎を改修するとともに、ネーミングライツ売却により駅名表記が「風そよぐ谷」国吉となった。いすみ鉄道のコンセプトである「自然との調和」がムーミン谷を想わせることにちなんだもので、国吉駅売店にはムーミングッズも多数置いてある。
 

国吉駅を北に向かえばすぐに国道365号に出るのでこれを東へ進む。徒歩2分ほどで夷隅不動尊の入り口が見えてくる。


参道の正面に本堂がある。本堂の本尊は釈迦如来像であるが、西国三十三観音像も祀られている。これは西国札所三十三寺の観音像を模して江戸時代に作成されたものだという。西国三十三観音には対となる坂東三十三観音もあるが、遠方で訪問しにくい西国札所のみ扱っているのだろう。


昭和58年(1983年)に再建された不動堂。「萬木城 病門除 安産厄除不動尊」とある。夷隅(刈谷)不動尊は天正年間に夷隅の領主であった美濃土岐氏が万喜城南西の裏鬼門(病門)にあたる刈谷原に不動尊を祀ったことが起源となる。小田原征伐により土岐氏は滅亡し、万喜城も天正19年(1591年)頃廃城となり、次第に不動尊も荒廃する。寛永7年(1630年)に什俊阿闍梨が宝勝院を開山し、刈谷不動尊を安置した。


山門は延命門と呼ばれる。脇には羽黒山・湯殿山・月山の出羽三山供養塔。千葉県域は出羽三山信仰が盛んな地域として知られ、三山碑の数は山形県に次ぐ件数だという。


水子供養所の脇には石碑がずらり。無縁仏だろうか。

霊場

幸野山 宝勝院 夷隅苅谷不動尊
所在地:千葉県いすみ市苅谷307
三十六童子:善爾師童子(ぜんにしどうじ)

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