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2022/02/18

【巡礼記】関東三十六不動尊 第十七番 等々力不動尊



等々力不動尊は東京23区唯一の渓谷・等々力渓谷沿いにある古刹。第16番札所があった三軒茶屋からは電車を乗り継いでもいけるが、バス1本でも同じくらいの時間で近くまでいける。

等々力不動尊は東急大井町線等々力駅の北側にある満願寺の別院にあたり、山門は昭和43年(1968年)に満願寺を改築した際に移設されたものである。


拝殿は昭和27年(1952年)に満願寺より移築されたもの。この裏手に江戸時代末期の建築である本殿が控えている。

平安時代後期、興教大師覚鑁の夢枕に不動明王が現れ、関東に不動明王を安置するよう告げられる。武蔵国に訪れた際に渓谷を発見し、錫杖をついたところ豊富な水が溢れ出たため、ここに不動堂を設けたという伝説が残る。本尊の不動明王は役の行者(役小角)の作と伝わり、奥の院に安置されている。


崖に向かって木製の舞台が設置されており、渓谷を臨むための見晴台となっている。


境内から渓谷へと下っていく途中に不動明王が右手に持つ「利剣」があった。これで煩悩や邪悪な心を断ち切ってくれる。


「役の行者神変窟」という小さな祠があった。「神変大菩薩」とは、修験道の開祖である役の行者の没後1100年を記念して、寛政11年(1799年)に光格天皇が送った諡号(しごう)。この祠には役の行者の像が鎮座している。


石段を下り切る。手前には弘法大師と慈母観音だろうか。そして奥には等々力稲荷堂。そしてその横にちょろちょろと流れるのが不動の滝。かつては水量の豊富さから地を轟かせるような勢いだったことから、地名の「とどろき」が発祥したと伝わる。役の行者ゆかりの地であることから水行に訪れる信者も多かったというが、今の姿からはなかなか想像しづらい。

霊場

瀧轟山 明王院 満願寺別院 等々力不動尊
所在地:東京都世田谷区等々力3-15-1
三十六童子:持堅婆童子(じけんばどうじ)

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