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2022/02/10

【巡礼記】関東三十六不動尊 第九番 高幡不動尊



この日は3つの札所を巡る。京王高尾山口駅から電車に揺られ、約30分で同じく京王線の高幡不動駅に到着。駅前から伸びる参道に沿って、高幡不動を目指す。


参道を抜けて川崎街道を越えれば高幡不動こと金剛寺がそこにある。草創は大宝年間(701年)以前だったり奈良時代だったりと伝えられ、平安時代初期には慈覚大師円仁によって不動堂が造られた。鎌倉時代後期には大風で不動明王が破損したが、その修復の際に塗った漆が汗をかいているように見えたため「汗かき不動」として戦国武将の信仰を集めた。江戸時代には真言宗智山派の学問所である「関東十一檀林」の一つとして数えられるようになり、いつしか関東三大不動の一つにも挙げられるようになった。


国指定重要文化財の仁王門をくぐる。この仁王門は室町時代の建立と伝わり、以来姿を変えながら再建を重ねており、近年までは単層切妻の八脚門であった。昭和34年(1959年)に解体復元修理を行い、茅葺形銅板葺の楼門に生まれ変わった。


境内の中心には不動堂がある。元々あった不動堂は建武2年(1335年)に暴風雨に遭い倒壊してしまったため、現在地に康永元年(1342年)に移設されたもの。東京都最古の文化財建造物で、仁王門と同様に国指定重要文化財に指定されている。不動堂には平成の修復工事の際に不動尊が不在となるのを防ぐために造られた「新丈六不動三尊」が新本尊として祀られている。


不動堂の裏手には奥殿がある。ここには平安時代後期の作と伝わる本尊の丈六不動三尊(不動明王坐像、制多迦童子像、矜羯羅童子像)が安置されている。「丈六」は長さの単位で約4.85mを表す。不動像は不動堂が倒壊した暴風雨によって損傷したが、康永元年(1342年)に不動堂と共に修復された。この不動尊も国指定重要文化財に指定されている。


空に聳える土方歳三像。ここ金剛寺は日野市出身の新選組副長・土方歳三の菩提寺でもある。境内の大日堂には位牌も安置されており、奥殿にも書簡などの新選組ゆかりの品が展示されている。それにしてもこの銅像、非常にイケメンである。

霊場

高幡山 明王院 金剛寺 高幡不動尊
所在地:東京都日野市高幡733
三十六童子:召請光童子(ちょうしょうこうどうじ)

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