名所江戸百景 -近像型構図について-

名所江戸百景を語る上で外せないのが、「近像型構図」というキーワード。
名所江戸百景の作品群を眺めてみると、その独特な構図が浮き彫りになる。
その顕著な例を以下に並べてみた。
左は「水道橋駿河台」、右は「日本橋江戸ばし」である。
どちらの絵も、手前に大きく物体が置かれ、奥に町並みが描かれている。
このように手前と奥のものを極端に書き分ける「対比の構造」こそ、名所江戸百景作品の特徴である。
名所江戸百景では、近像型構図を取り入れている作品が約50作品ある。
ここでこの構図について疑問に思うことがある。
①なぜ広重はこの表現手法...