名所江戸百景:駒形堂吾嬬橋 -浅草寺のはじまりを知る場所-

東京観光と言えば浅草寺は定番である。
「EKIMESE」としてリニューアルした東武浅草駅で待ち合わせをし、人であふれた雷門通り商店街を抜け、巨大な提灯に感嘆しながら雷門をくぐり、仲見世を通り抜けて本堂へ向かうのが、偏見を存分に含んだ鉄壁ルートだろう。
しかし、この鉄壁・鉄板・王道ルートでは浅草寺の歴史を知る上で重要な建物を見逃してしまう。それが今回紹介する作品「駒形堂吾妻橋」の主人公、メインで取り上げられている「駒形堂」である。
浅草寺の歴史を記した「浅草寺縁起(応永縁起)」によると、浅草寺の本尊は推古天皇36年(62...