気の向くままにつらつらと。

歩きや自転車で巡った様々な場所を紹介します。ついでにその土地の歴史なんかも調べてみたりしています。

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2015/01/17

秩父三十四カ所巡礼の旅 Day2の② 〜丘を登ってまた平地〜



摩耗した案内板。道を覆う土嚢。
これらから示唆されるのは、この道があまり利用されていないことであろう。
10番札所で納経してもらっているとき、写経して頂いたおばちゃんにこの道のことを少し聞いてみた。地図を見せながら「このルートを辿りたいんですが...」と尋ねた所、しばらく沈黙。少し悩まれた後に、「あーあの道ね。あるにはあるけど、しばらく歩いてないからどんな感じか解らないよ。」との回答が。そして別のおすすめルートの案内地図を渡されてしまった。
折角のご好意を反故にしてしまうのは申し訳ないが、私はこの道を行きます。ごめんね、おばちゃん。

登り始めると、結構急な山道であった。日の光はほとんど入ってこず、土の色が見えている幅が小さいことからあまり人が踏み入れていないことが察せられた。
蜘蛛の巣もパワー健在で虫嫌いの私の体を容赦なく襲ってくるので、自然と急ぎ足になっていた。

ここ数日誰も踏み入れていないであろうルートを5分程登ると、開けた場所に到達した。どうやら尾根に到着したようだ。来た道が間違っていなかったことを示すように、「札所十一番」の案内道標が立っていた。
ここからは尾根道に沿って伸びる遊歩道を行く。遊歩道とはいえ、少し見通しがよくなったぐらいで、道の状況は変わらない。
陽のあたらない区間を抜けると、麓の様子がよく見える場所に出てきた。この尾根の一部は秩父市・横瀬町の行政境界となっている。進行方向左側・横瀬町の田園風景と右側・秩父市の住宅街のコントラストが何とも言えない。



尾根の辿っていくと古びた鳥居が連なる場所に突き当たった。上之臺稲荷神社と呼ばれる神社だそうで、鳥居が多く奉納されていることから、地域に根付ている神社なんだろうと思うが、鳥居はだいぶ朽ちており、新規の奉納は少ないんじゃなかろうかと思う。鳥居をくぐりながら山を下る。薄暗いし蜘蛛の巣張ってるし、まあ大変。


鳥居を抜けるとそこは十一番札所・常楽寺だった。
この日は秋分の日ということもあり、彼岸会か何かが行われていたようで、地元の檀家の方が集まって賑わいを見せていた。

次の十二番札所までは1kmちょっとの道のり。参考にしていたマップでは一本道のようなのだが、私は左の箇所でどちらに進めばよいか迷ってしまった。
「巡礼道」の札は左寄りに置いてあるし、左の道のさらに左側は羊山丘陵。古くから丘陵に沿って道が延びててもおかしくないと思ったので左が古道だと考えたのだが…。

先程の分岐を右に行くと、1818(文化15)年の巳待塔が置かれていた。この場所は次の12番寺へ向かう道と13番寺へ向かう道の分岐点でもある。
やはり右が正しいルートなのだろうか…。調査中である。




左右どちらのルートを選んでも、12番札所・野坂寺に到着する。これまで訪問した札所の中でも指折りの広さを持っており、山肌に広がる墓地の数と彼岸で墓参りに来ている参拝者の多さが、古くから地元を掌握しているのがよくわかった。

休憩スペースでは、お茶と梅干しを頂いた。
炎天下の中のハイクで消耗した体力が回復してゆく!チラシで作られた種入れも高ポイントだ!
あまりの落ち着いた気分にどれだけでも長く居れそうだが、まだ本日も先が長いので後ろ髪引かれつつさようなら。
先程の巳待塔まで元の道を戻り、13番寺に歩を進める。
国道140号線にぶつかった箇所から、西武秩父駅方面に延びる道が従来の巡礼道だが、駅ができたことで道は消失してしまった。
この先には道が無いが、電柱に取り付けられた看板がひっそりとかつての巡礼道を案内していた。

寸断された道を迂回すべく、西武秩父駅併設の「西武秩父仲見世通り」をゆく。12年に一度の午年総開帳のということで、札所の案内をしてくれるスペースが設けられていた。札所同様、祈願塔が目印となっており参拝もできるようになっている。おじさんが丁寧に次の13番札所へのルートを教えてくれた。

まだ時刻は正午過ぎ。2日目はまだまだ続きます。

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