【巡礼記】関東三十六不動尊 第二十二番 浅草寿不動尊
数多の寺院ひしめく浅草において、この存在を知っている人は少ないかもしれない。そんな寺院が東京メトロ銀座線田原町駅から南西方向に徒歩3分程の場所ある。山門には「真言宗智山派不動院」と掲げられていて寺院であることを主張しているが、その奥にはいわゆる寺院建築ではなく2階建てのクリーム色の建造物が控えている。
中に入ると階段で2階に上がったところに本堂があり、納経もそこで済ませた。関東三十六不動巡りをしている参拝者がほとんどだと言う。
慶長16年(1611年)に八丁堀にて創建し、寛永12年(1635年)に浅草寺の裏鬼門として移転してきたと言われる。本尊の不動明王は恵心僧都作と伝わり、元々平戸藩松浦家の江戸屋敷にあったものを、屋敷の鬼門に当寺があたることから不動明王像を奉納、安置したものだという。
上図は国立国会図書館デジタルコレクションより、嘉永2年(1849年)から文久2年(1862年)頃の江戸切絵図『浅草御蔵前辺図』から抜粋したもの。図の左側が南で、中央左端に「不動院」の文字が見える。不動院と同じブロックでは、玉宗寺、仙蔵寺、常福寺、威光院、永見寺、宗圓寺などが今でも同じ位置に現存しており、住宅地と寺町をミックスしたような雰囲気を醸し出している。
霊場
阿遮山 円満寺 不動院 浅草寿不動尊
所在地:東京都台東区寿2-5-2
三十六童子:小光明童子(しょうこうみょうどうじ)
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