【巡礼記】関東三十六不動尊 第十一番 石神井不動尊
西武池袋線の石神井公園駅から石神井公園への案内に従って進む。石神井公園と石神井池を眺めつつ、駅から徒歩20分ほどで石神井不動尊こと三宝寺に到着する。
三宝寺は応永元年(1394年)に鎌倉大楽寺の幸尊法印によって石神井池南側の禅定院付近で開創したと伝わる。鎌倉時代以降、石神井一帯は豊島氏によって支配されており、三宝寺北側に築城された石神井城は豊島氏の本拠地となっていた。文明9年(1477年)の長尾景春の乱にて太田道灌により豊島氏が滅ぼされると、同年に三宝寺は現在地に移転された。
家康の関東入府の翌年・天正19年(1591年)には、三宝寺に朱印地10石が与えられているが、これは直前まで関東を支配していた北条氏に縁のあった寺社を庇護することで、新領民の人心安定を図ったものとされる。
奥之院である大師堂は、昭和42年(1967年)に改築されたもの。かつては現在の根本大塔の場所にあったが平成になってから現在地に移設された。大師堂を取り囲むように四国八十八ヶ所のお砂踏み場が設けられている。鬱蒼とした木々の間を縫うように札所本尊の碑が設置されており、四国巡礼の険しさがわずかばかりだが感じ取れる。
本堂は文久3年(1863年)に火災のため消失。現在の本堂は大正時代に修復されたものとなっている。
天明元年(1781年)建立の宝篋印塔。かつては御成門近くにあったが、関東大震災で倒壊。その後現在地に再建した。
平成8年(1996年)に建立された根本大塔。二層構造になっており、一層目に胎蔵の五仏(大日如来、宝幢如来、開敷華王如来、無量寿如来、天鼓雷音如来)と四菩薩(観音菩薩、弥勒菩薩、普賢菩薩、文殊菩薩)、二層目に金剛界の大日如来が祀られている。
霊場
亀頂山 密乗院 三宝寺 石神井不動尊
所在地:東京都練馬区石神井台1-15-6
三十六童子:羅多羅童子(らたらどうじ)
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